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【逃げ若 勝鬨】諏訪頼重の勝鬨「えいえいおー!」に隠されたマナー

その他の漫画
「諏訪頼重のやる『えいえい…おー!』っていいよね!

めちゃくちゃいいですよね!

ページを開いた瞬間の迫力と雨が晴れる演出とのギャップですごく好きです。

この時使われた「えいえいおー!」を『勝鬨(かちどき)』といいます。
当時を描いた創作物でもよくでてきますよね。

今回はこの勝鬨についてご紹介致します。

gddfgf執筆者紹介
・ネウヤコのみがジャスティスと妄信する原理主義者

勝鬨(かちどき)とは

「えいえいおー!」

日本人なら誰でも知ってる掛け声ですね。

・薩摩隼人「チェスト!」
・ソーラン節「ドッコイショー、ドッコイショッ!」

なども掛け声として有名です。

一方この「えいえいおー!」は勝鬨(かちどき)という固有の名前がついており
意外と歴史に古い掛け声なのです。

勝鬨(かちどき)の使い方

※出典情報詳細※
WEBSITE:ODAN
撮影者: UnsplashHulki Okan Tabakが撮影した写真

よく『勝鬨をあげろー!』と戦の大勢が決した時に使われる印象ですが本来は

『戦の初めにするのが正式な使い方である』

と多くの文献に残っています。

「鬨」一文字で「たたかう、コウ」と呼ぶこともからも、勝鬨は

「勝ったから声をあげる」ではなく
「今から勝つためにテンション上げる」

ことを目的として使われているようです。

勝鬨に込められた意味

戦はまずアイサツから始まる。

「えいえい」

という大将の掛け声に呼応して軍勢一同が

「あう(オオ)」

と声を合わせ、これを三度行います。

「えいえい」は前進激励の「鋭鋭」
「おう」はそれに応じる「応」

「鋭」は勢いが激しく、勇ましいさま。
「応」返事、呼応する。命令に沿うよう行動する。

漢字の意味とひらがなとひびきが素敵な感じです。

勝鬨のマナー

さて、作中の「えいえいおー!」をもう一度見ていただくと
なんだか頼重と信徒のテンションがちがってみえます。

テンションを上げる為の掛け声なのに、煽る側の頼重は大変声のトーンが低い。
しかし『軍用記』によればこれが正しい使い方のようなのです。

本書によれば

①大将は東向きで
②大将は右手に勝栗 or 弓 or 宗派で決められたもの を持ち
➂「えいえい」と発声し
④諸軍勢一同が武器を掲げてこれに声を合わせること

が正しい手順とのこと

そして、出陣の際には「初め弱く終わり強く」
帰陣の際にはその逆にしていたとには記されています。

頼重 勝鬨を正しく使えていて えらい

私は当初、次のページで読者に驚いてもらうための漫画の演出の都合だと思っていました。

しかし、頼重の少し低いテンションは古代の礼儀に従った、正しい勝鬨を挙げていたことが分かり、この漫画の時代考証の深さに驚いた次第です。

※参考資料
 「歴史読本 特集天皇家の閨閥 明治・大正・昭和の皇室 昭和六十三年三月号」「軍用記」「太平記」

まとめ

勝鬨

ただのテンション上げる為のものだと思っていましたが案外歴史が深く驚きました。

頼重の「えいえい(小声」が気になり調べてみた結果、
知らない豆知識が増えることになりました。

何気なく我々が使っている言葉にも意味があると考えると
面白いものですね。

ネウロ・暗殺教師とヒットを飛ばす松井先生。

「逃げ上手の若君」は作者個人の趣味、エッセンスがふんだんに詰まった一作です。
話の構成はもちろん、歴史解説も随時あり、鎌倉や室町時代が全く分からなくても楽しめます。

・一部の読者層に刺さるだろう時行の少年的愛らしさ
・松井作品よろしく続々登場する変態
・安易な人間賛歌ではない、人間のすばらしさ

を堪能することができます。

原作が無事に完結すること、松井氏のご健康と今後の活躍を
1ファンとして、勝手ながらお祈りさせていただきます。

また、作中描写についての考察を別途しています。

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ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。