盤王を読んで、このような疑問を持たれた方も多いでしょう。
盤王 少年ジャンププラス様
結論から言うと、竜王戦(1987年創設)でのアマチュア優勝はありません。
しかし、将棋界最高位のこのタイトルには竜王戦ドリームと言われるほど魅力的な歴史が詰まっています。
竜王戦における、アマチュアの奮闘やその履歴についてご紹介致します。
竜王戦とは
竜王戦はプロ、女流、アマチュアの誰でも参加できる将棋界の唯一無二のタイトルです。
優勝賞金は4320万円、準優勝賞金は1620万円、挑戦者決定三番勝負の対局料は460万円
※賞金や対局料は毎年変更有
新聞社様が主催なこともあり、本編の各対局毎に対局料が設定されているビックなイベントです。
そしてこの大会、アマチュアでも出ることができるという特徴があります。
アマチュアが竜王戦に出るには
盤王本編のようにプロとトーナメントで戦うには、全国のアマチュア最強を競う大会で上位に入る必要があります。
現在の将棋人口は500万人 「レジャー白書2022」(日本生産性本部・編集発行)より
出場できるアマチュアはたった5人
アマチュアという名前こそついていますが、上位入賞がどれだけ大変か分かると思います。
勝ち抜いたものだけが竜王戦本戦への切符…を争うトーナメントに参加することができるのです。
竜王戦の本戦に出るには
本戦、とは上述した「対局料」が決まっている竜王戦の本戦トーナメントのこと
女流・アマチュアは竜王戦6組に入り、更に熾烈な戦いを繰り広げます。
この本戦入りを決めるのはトーナメント
一発勝負の戦いを大体5.6回一度も負けずに進めなければなりません。
イメージは甲子園で優勝するくらいのボリュームです。
ここで優勝すれば、賞金93万円(準優勝は20万)と本戦出場資格を得ることができます。
この大きな壁に何度もアマチュア勢は跳ね返されてきた歴史があります。
アマチュアの最高成績
本題のアマチュア成績ですが、竜王戦6組ベスト4が最高記録です。
1991年:天野高志さん 竜王戦6組ベスト4
これがアマチュア勢の最高成績。
6組の決勝まで進めたアマチュアは歴史上1人もいません。
アマチュアの最高峰 小山怜央さん
2021年に準決勝まで進んだ小山怜央さん
小山さんはその後プロ編入試験を経てプロ入りを果たしています。
奨励会を経験せずプロ相手に圧倒的成績を収めてプロ入りした異色の棋士です。
そんな小山4段でさえ、、「さえ」という言葉を使ってしまいますが、アマチュアの6組優勝は未だなされていないのです。
「盤王」本編では
心躍る下剋上であり、300年の将棋の歴史を持つ吸血鬼にしかできない芸当でしょう。
ただ、安易に主人公が勝ち進む姿を見せるのではなく
プロ棋士としての矜持や一局にかける思いの強さがストレートに描かれています。
それは時に残酷であり、それでいて必死に打ち込む姿が人を惹きつけるのだと思います。
竜王戦ドリームは終わらない
竜王戦6組には
・何かを掴みたい奨励会員
・今年こそはと意気込む女流棋士
と様々な将棋指しが戦います。
盤王は漫画という創作物ですが本編の熱や対局者の葛藤が伝わってくるエネルギーのある作品です。
アマチュア勢の夢を叶えてくれるかもしれない月山さんには心からエールを送りたいと思います。
まとめ
竜王戦とアマチュアの成績について、いかがだったでしょうか。
大変、エネルギッシュな作品でテンポもよく読み応えのある作品です。
吸血鬼×将棋×竜王戦という一見突拍子もない組み合わせを織り交ぜており
将棋を知らない人でも楽しめる作品だと思います!
是非、ご一読ください。