たしかに尊氏は逃げ若本編では人間離れした描写が多く見られます。
・グッと力を入れたら敵軍を洗脳できる
・勘がよすぎて 言ったことがほぼ現実になる
歴史の授業では鎌倉幕府を開いた人以上の説明はなかったでしょう。
となる読者も多いと思います。
しかし、この時代を描いた歴史書:太平記を読んだ読者からすると
となります。
そんな日本が丸ごと嫉妬する最強のラスボス、足利尊氏についてご紹介致します。
太平記と尊氏の出番
※出典情報詳細※
WEBSITE:いらすとや
※ご利用について参照の上、上記画像を使用※
太平記は名前に反してクッソ血生臭い描画多いことで知られる歴史書
朝廷の力を復活させたいマンの反乱~南北朝が強制合体するまでを描いています。
尊氏の出番は多く、片手で数えきれないくらい↓のような表現をされています。
では具体的にどのように強運で神がかった動きを見せているのでしょうか。
エピソード毎に見ていきましょう。
3回自害を試みる → 死なない
尊氏はとても気持ちの揺れ動きが激しい人物とされています。
尊氏軍:80万 VS(尊氏のライバル)新田軍:2万 で戦をして負けてしまったことがありました。何度やってもボロクソに負けるので落ち込んでしまった尊氏
そこで本編よろしく「もう死ぬしかない…!せや…!!」と言って3回自害を試みます。
…が当然のように生還しています。
鎌倉時代の自害について
我々日本人は自害と聞くとエクストリームスポーツ「切腹」を連想します。
しかし、この時代の自害は少し趣向が異なり
②喉に刀を添える
③勢いよく突き刺す
という順序で自らの生きざまを示します。
刀を喉に突き刺しても死なない男 尊氏
太平記の中で「自害を試みた」描写をされた人間はほぼ死にます。
喉に刀を刺したので当然です。しかし、尊氏だけは
運が強かったので…!
のごり押しで何故か死にません。
3回刺して死なないので神様も諦めたのでしょう。
しかもこの自害。なんと戦場でやってます。
尊氏の強運スペックをまとめると…
死にそうな戦場で、のんびり3回喉に刀をぶっ刺しても死なない男
…たしかに強運で尊氏の輝きに右にでるものはいないのも頷けますね。
20倍の兵力差を余裕で勝利
続いては尊氏の異常な戦闘力とカリスマについて
上記の戦の後、敗れた尊氏は魔境九州に逃げ延びます。
生き残った数はボロボロの500
追手は九州の精鋭5000
結末だけ言うと、尊氏軍は勝利するわけですがその経緯が明らかに異常なのです。
追手の菊池軍という精鋭
戦力差のある戦いでよくある
というノリ今回にいたっては全くそのようなことがありません。
追手の軍は菊池 武俊(きくち たけとし)が大将
駆け付けた士気の高いはずだった尊氏の援軍を秒殺しています。
更にこの菊池軍、本文の中でほぼ唯一
『菊池軍に戦略的失敗はなかった』
と明言されているクッソ強い軍隊
これだけでも、以下に尊氏軍への追手がヤバいやつだったか分かります。
神のご加護 万能すぎる
援軍を減らされた敗軍の足利陣営
精鋭の菊池軍と対峙することになった尊氏
尊氏軍(250) VS 菊池軍(5000)
一見勝ち目はありません。
しかし、その次の一文で太平記読者はひっくり返ります。
マジで誇張なしに書かれており、このように続きます。
えぇ…そうはならんやろという描写ですが、マジでこのままに書かれています。
逃げ若本編でも、グッと力を入れたら敵が降伏したりカリスマに当てられる描写がありますが、たしかにこの尊氏なら余裕ででてきしまいそうな凄みがあります。
まとめ
尊氏のヤバさっぷりはいかがだったでしょうか。
太平記基準なら、今後もっと盛られそうで怖いですね…
一度、太平記を読むと本編の理解度も上がりますし、より逃げ若を楽しむことができると思います。是非手に取ってみてください。
ネウロ・暗殺教師とヒットを飛ばす松井先生。
「逃げ上手の若君」は作者個人の趣味、エッセンスがふんだんに詰まった一作です。
話の構成はもちろん、歴史解説も随時あり、鎌倉や室町時代が全く分からなくても楽しめます。
・松井作品よろしく続々登場する変態
・安易な人間賛歌ではない、人間のすばらしさ
を堪能することができます。
原作が無事に完結すること、松井氏のご健康と今後の活躍を
1ファンとして、勝手ながらお祈りさせていただきます。
また、作中描写についての考察を別途しています。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。