大変不思議で魅力のある場所です。
今回は逃げ若本編にも登場する諏訪の七不思議、
正式名称を「諏訪大社七不思議」についてご紹介いたします。
「諏訪大社七不思議」とは
※出典情報詳細※
WEBSITE:ODAN
撮影者: UnsplashのLucas Callochが撮影した写真
そのままの意味で諏訪にまつわる不思議な現象のことです。
一般的には以下7つを指しまして
・高野の耳裂け鹿
・元朝の蛙狩り
・五穀の筒粥
・葛井の清池
・御作田の早稲
・宝殿の天滴
今回は逃げ若本編でも登場する
・高野の耳裂け鹿
を取り上げようと思います。
ちなみに諏訪大社には上社・下社それぞれに七不思議が存在し
何故か重複して数えられます。
その為、全部あわせて11個あるというややこしさがございます。
興味が湧いた方はwikiると中々面白いお話が多いので是非ご覧ください。
御神渡(おみわたり)
「本編三巻 第25話 ▲神力1334」にて頼重が凍結した諏訪湖に手をあてて
氷雪系能力者みたいに亀裂を入れる
この現象のことを言います。
仕組みとしては
・気温が一定以上になる
・夜 気温が下がり氷が膨張
・朝 膨張した分の氷が亀裂と共にせりあがる
自然現象の1つではあるのですが、大変不思議で興味深い現象ですね。
「不思議に思う人の心が神力を産む」
「不思議に思う人の心が神力を産む」
これは本編で諏訪頼重が若に言ったセリフ
中々含蓄のある言葉だと感心してしまいます。
また、「自然現象は解明されてしまっては不思議でなくなってしまう」
と語っており、人間が理解不能なものにロマンに求める気持ちを記しています。
実際、仕組みを知らず目の前で氷がドドドとなったら不思議に感じるでしょう。
700年くらい前の人なら尚更ですし、諏訪に神力があると感じた当時の人の気持ちが少しわかる気がします。
御神渡り 宮内庁と気象庁に報告義務がある
ちなみにこの御神渡り…
気候に左右される為に毎年見れるわけではないのですが、御神渡った時には
亀裂の入り方で吉兆を占い、宮内庁と気象庁に結果報告をする
という大変に雅なイベントであります。
高野の耳裂け鹿
※出典情報詳細※
WEBSITE:ODAN
撮影者: Image by Alistair McLellan from Pixabay
こちらは本編7話(▲弓術 1333)に登場
小笠原貞宗(さだむね)が挑発代わりに
と言って巫女の耳を狙い打った場面です。
御頭祭(おんとうさい)という祭りがあります。
・毎年1頭は必ず耳の裂けた鹿がいた
というところから
「軍神様がつけた傷にちがいない!」
⇩
『めでたいやん!』
となったそうです。
これだけだと滑稽に見えてしまうので、程度の背景を追記しましょう。
諏訪は狩猟の神様
諏訪周辺は古来より狩猟が盛んだったことで有名です。
諏訪地域は酸性土壌で歴史的資料が見つかりにくいとされている中で鹿の頭蓋などが多く出土しています。
当時、狩猟がとてもに盛んだったことを伺わせます。
諏訪大社は最古の神社の1つとされ、
・建御名方神(たけみなかたのかみ)
・八坂刀売神(やさかとめのかみ)
・ミシャクジ様信仰
などが有名ですが、これにあわせて狩猟の神としての諏訪信仰があったと思われる文章が残っています。
前世の因縁で宿業の尽きた生き物は
放ってやっても長くは生きられない定めにある
したがって人間の身に入って死んでこそ
人と同化して成仏することができる
動物に対する殺生に対する罪の意識は
今を生きる我々とは異なるものだったことしょう。
「諏訪大明神が清めてくれるなら…」
上の文章は多少人間本位な文章ではありますが
当時の人間が「諏訪大明神が清めてくれるなら…」となるくらいの説得力があったのだと推察できます。
実際「吾妻鏡(あづまかがみ)」では諏訪神社以外の鷹狩りを禁止した記述も残っており、狩猟における特区のような扱いをされていたようです。
七不思議が生えてきたのもある程度の土台、背景があったと分かる資料であり
大変興味深いですね。
まとめ
御神渡りはなんとなく知っていましたが、
宮内庁に報告することは今回初めて知りました。
上記で引用した文章を「諏訪の勘文」といいますが
これだけで「よっしゃ!狩って食べたろ!」ってなる思考がのどかな感じでとても好きです。
ネウロ・暗殺教師とヒットを飛ばす松井先生
「逃げ上手の若君」は作者個人の趣味、エッセンスがふんだんに詰まった一作です。
話の構成はもちろん、歴史解説も随時あり、鎌倉や室町時代が全く分からなくても楽しめます。
・松井作品よろしく続々登場する変態
・安易な人間賛歌ではない、人間のすばらしさ
を堪能することができます。
原作が無事に完結すること、松井氏のご健康と今後の活躍を
1ファンとして、勝手ながらお祈りさせていただきます。
また、作中描写についての考察を別途しています。
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ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。